会長挨拶
第5回日本医学シミュレーション学会
会長 加藤孝澄
浜松医科大学麻酔・蘇生学講座准教授

 第5回日本医学シミュレーション学会を、来る平成21年10月31日(土)に浜松アクトシティーコングレスセンターで開催させていただきます。医学教育において、シミュレータの使用は必須のものとなってきている。以前なら始めての手技を臨床の場で行うことがしばしばありました。しかし現在では、シミュレータトレーニングにより必要なレベルに達したのちし実際の臨床でトレーニングを行うことが理想的であり、医療安全上でも有益であります。また十分な臨床経験のある医師であっても、まれな疾患や状況では今までに経験したことのないことに遭遇することは考えられます。そのような場合、シミュレータやシミュレーションにより経験することにより実際の場面では落ち着いて対応できるようなると考えられます。
シミュレーション教育は、重要であることは明らかでありますが、実施には、継続的にシステマテックに行われている施設はそれほど多くありません。またシミュレータの精度もシミュレータ教育の効果に大きな影響を与えるものと考えられます。

このような観点から、以下の内容を企画致しました。
1. 特別講演として最近シミュレーションセンターを立ち上げた河野龍太郎(自治医大メディカルシミュレーションセンター)先生に「医療のリスクマネジメントにおけるシミュレーションの意義」
2. 招聘講演としてノ ヨハン(早稲田大学大学院理工学研究科)先生に「気管挿管訓練ロボットの開発」と題して、最新の気管挿管シミュレータについて講演していただきます。
3. シンポジウムは「これからの医学シミュレーション教育」として座長、シンポジストともに、この領域で頑張っておられる方々に議論していただく予定です。

今回は医師以外の講演者をお呼びし医療以外の方面からの見地で興味深い講演が聴けると思います。

臨床麻酔学会が終了した直後で、お疲れでしょうが、皆様の御参加を心よりお待ちしております。    

平成21年6月吉日