あってもいいかも?ミニHPSセミナー

 

旭川医科大学麻酔・蘇生学教室、旭川医科大学救急医学講座

藤本一弘、黒澤 温、岩崎 寛1、鈴木昭広

 

ミニDAMがあるならミニHPSがあってもいいのでは?このような単純だが実直な発想から我々はミニHPSセミナーを企画した。DAMセミナーはこれまで全国学会時に開催され、その必要性・有用性が認識されて多くの麻酔科医が受講するようになった。そしてさらに受講機会を増やすために各地でミニDAMセミナーが開催され始めている。ところが、JAMSのもうひとつのセミナーであるHPSセミナーは手術中の危機管理をトレーニングできる有用なセミナーではあるが、DAMセミナーとは違って実施が難しい要素が多いため普及が滞っている。この現状をなんとか打開できないかと考え、我々はミニHPSセミナーを実施した。

HPSセミナーの開催には、まずHPS(もしくはECS)とインストラクターが必要であるが、当施設には幸いその両方が存在した。これまでのHPSセミナーは、悪性高熱症などの病態をテーマとした『病態提示型』と、シナリオベースで刻々と変化していく病態のわからない患者に対応する『病態非提示型』に大別されるが、当施設の2名のインスト経験者はその各々を経験しているので、『病態提示型』と『病態非提示型』の2つのブースを設け実施した。今回、このミニHPSセミナーの概要につき紹介する。

HPSは多機能でありこれを使いこなすのに相当な努力を必要とするが、HPSセミナー自体は有用であると思われ、ぜひ地方でも行うべきである。そのためには、セミナーの標準化、資格化、インスト及びシナリオの整備等課題が山積みであり、今後JAMSの果たすべき役割は非常に大きいと考える。