浜松医大麻酔科方式研修システム

HPSをいかに活用するか−

 

浜松医科大学附属病院麻酔科蘇生科、2浜松医科大学附属病院手術部

鈴木 五十嵐 、森田耕司2、加藤孝澄、佐藤重仁

 

 平成16年度の臨床研修制度変更を麻酔科発展の好機と捉え、浜松医大麻酔科は臨床研修カリキュラムの再構築を行った。High fidelity human Patient SimulatorHPS)を用いたシミュレーション教育を取り入れ魅力ある研修プログラムの作成を目指した。

 臨床研修制度の変更により原則全ての研修医が初期研修期間に麻酔科研修を行うこととなった。受け入れる側に与える影響として、1)麻酔科研修に対する意欲の低い研修医も臨床で教育する必要がある。2)麻酔科に興味のなかった研修医が麻酔科の臨床業務を体験することによりその魅力に気づく。ことが想定された。これらに対する方策として、臨床麻酔の基礎知識に関する筆記試験とHPSを用いた基本的な麻酔導入手順の実地試験を課し、必要最低限の知識を確認することにより、臨床業務に支障をきたさないようにするとともに試験に合格した研修医には積極的に研修の機会を与えるようにした。なお、HPSを用いた実地試験では、実際に手を動かす能力を評価するとともに、その後の臨床研修を進める上でのアドバイスを与えるようにしている。HPSを用いた危機的状況への対応の体験は研修医が興味を持つと思われ、プログラムに取り入れることは臨床研修を魅力的なものにすると考えられるが実現できてない。