指導者のための超音波ガイド下中心静脈穿刺教育実践セミナー

 

JFE健康保険組合 川鉄千葉病院 麻酔科1、獨協医科大学救急医学講座2

徳嶺 譲芳1、松島 久雄2

 

 盲目的な手技を、超音波をガイドに行なうというパラダイムシフトは、中心静脈穿刺に限った変化ではない。外科手技における臓器の穿刺、神経ブロックなど、侵襲的手技への超音波の利用は普遍的な方向と言える。

 一方で、高度に進んだ医学と医療の安全確保のために医学教育も変革の時にきた。手技の標準化やシミュレーションによる教育がそれである。そのような中で、現場の医療に従事しながら指導者としての役割も担う臨床研修病院の中堅医師は、自らが経験したことのない新たな医学教育を実践しなければならない状況におかれている。

 今回、超音波ガイド下中心静脈穿刺法の教育を行なう指導者のために、効率の良い教育法の実践セミナーを行なう。初心者が陥りやすいピットフォールをどのように理解させるか、どのように手技の上達を導くかなど、教育のTechnical Tipsを習得できる内容(下記参照)を盛り込んだ。指導者、これから指導者になる若き人材の参加を望む。

インストラクター・テキスト

1) 到達目標とモチベーション:初期臨床研修医の中心静脈穿刺手技とは?

2) ピットフォール:超音波によるイルージョン

3) 穿刺手技:手技の論理的展開

4) ハンズオン・トレーニング:正確に行なう技術の習得

5) 教育効果の評価:技術の評価と上達のための能力

6) 超音波診断装置とシミュレータの取り扱い

文献

1) 徳嶺譲芳ほか. 初期臨床研修医に対する超音波ガイド下中心静脈穿刺トレーニング. 日臨麻会誌28;956-60,2008

2) 徳嶺譲芳. 超音波ガイド下中心静脈穿刺法マニュアル. 須加原一博(編),総合医学社,東京,2007