初期研修医実践セミナー

獨協医科大学 救急医学

松島 久雄

 

厚生労働省が定める新医師臨床研修制度における指導ガイドラインには、経験すべき基本手技として、気道確保から感染制御など幅広く22項目が挙げられている。この基本手技を数多く経験することが研修医の到達目標になっているが、臨床の現場で実際に経験する機会にはなかなか恵まれないのが現状である。そこで、基本手技を確実に身につけるためにシミュレーションによるトレーニングは必要不可欠となる。特に気管挿管、中心静脈穿刺などは、安全性の面からもシミュレーション機器を使用したトレーニングを行ってから実践することが推奨されている。しかしながら、トレーニングする場所や機会も十分とはいえず、指導者の確保も大きな問題となる。今回、日本医学シミュレーション学会と共催にて初期研修医向けの実践セミナーを企画した。安全にカテーテルを挿入するための「超音波ガイド下中心静脈穿刺」、客観的に手技を評価する「ビデオ喉頭鏡による気管挿管と気管支鏡」、院内緊急コールに対するチーム医療をトレーニングする「Medical Emergency Teamトレーニング」、NPPVを含む呼吸管理を学ぶ「人工呼吸管理」、初心者でも安全に体験できる「硬膜外腔穿刺」の5つである。それぞれのブースはシミュレーショントレーニングに精通した麻酔科医が指導者として担当する。実践する機会が多い中心静脈穿刺、気道確保、蘇生、人工呼吸に麻酔科医ならではの硬膜外穿刺を加えた。麻酔科医と多くの研修医が接する機会を持つことで、麻酔に関する理解が深まり、研修医の興味が麻酔に大きく傾いてくれることを期待してセミナーを開催する。

協賛(順不同)
アイ・エム・アイ株式会社
エム・シー・メディカル株式会社
株式会社京都科学
カールストルツ エンドスコピー ジャパン株式会社
GE横河メディカルシステム株式会社
泉工医科工業株式会社
センチュリーメディカル
テルモ株式会社
ドレーゲル・メディカル・ジャパン株式会社
日本光電東関東株式会社
日本シャーウッド株式会社
日本ライトサービス株式会社
ビー・ブラウンエースクラップ株式会社
レールダルメディカルジャパン株式会社