教育講演(05

Monitored Anesthesia Care(MAC)の概念と日本への導入

癌研有明病院麻酔科

 

横田美幸

 

ASAではMAC(monitored anesthesia care)の概念は確立され、ASARelative Value Guideに収載されている。日本でも麻酔科医に対する要望・需要は増大し、手術室の麻酔のみならず、あらゆる部署で麻酔科医の活躍は期待されている。しかし現在の日本の医療では、麻酔科医の行う医療(行為・技術)は正当に評価されているのであろうか?患者は医療を受けるに当たって苦痛は望まず、安全・確実な方法を希望するのは自明である。このため苦痛を軽減し安全性を高めるために、麻酔科医への需要・要望は増大し来ている。しかし日本の麻酔科医療は、慢性的人員不足のため、外科医・看護師・国民に対し、要求を十分に満たして来なかった経緯がある。振り返って、その要望を満たすための人員がどの程度必要か検討され、人材確保に必要な財源は要求されてきたのであろうか?その答えは、ASARelative Value Guideにあるといえる。ASAではMACを下記のように定義され、正当なコスト請求がなされている。日本においても、今後この概念の普及と正当な社会的評価により、麻酔科医の人員は確保され、国民の期待に添える医療となるであろう。「Monitored anesthesia care is a specific anesthesia service for a diagnostic or therapeutic procedure. Indications for monitored anesthesia care include the nature of the procedure, the patient's clinical condition and/or the potential need to convert to a general or regional anesthetic.