教育講演(11

一側肺換気 こんな症例・あんな症例−さあ、みんなで考えよう!

金沢医科大学侵襲制御学

 

白石美治

 

 麻酔科に入って間もない頃、呼吸器外科の症例を担当するようになると、一側肺換気というだけで緊張して、うまく換気ができるか、術中低酸素血症になったらどうしよう、などと悩んでいたことを懐かしく思い出します。最近でも、こんなお年寄りまで肺手術をするのか!とか、こんなリスクの高い人まで肺手術するのか!と驚くことが多々あります。COPDのような慢性肺疾患は、高齢になるほど合併頻度が高い併存症ですが、麻酔法に関しては、虚血性心疾患患者に対するガイドラインのように明確なものはないのが現状です。呼吸機能検査結果が悪い人にも肺容量減量術などという手術をするくらいですから、統一したガイドラインを作れないのかもしれません。結果的に、試行錯誤の中で麻酔をしていくことになるのですが、先人の知恵というのは大事にしなければなりません。 一側肺換気の麻酔管理で悩んでいるかたはいませんか? この教育講演では様々な症例を呈示し、受講者と一緒に麻酔管理法を考えていくなかで、より良い管理法を探求することを目的としたいと思います。肺手術の術前にしておくべきことは? 麻酔法の選択は? 一側肺換気中の呼吸管理法は? 気道内圧はどこまで大丈夫? HPVって本当に起こるの? 潰している肺はほったらかしで良いの? 低酸素血症になった時の対応は? 気管チューブの選択は? 気管支に腫瘍がある時はどうしたら良いの? 肺全摘の麻酔では何に注意するの? 本当は怖い呼吸器内科患者の肺生検! などなど、こんな症例・あんな症例について、皆さんと一緒に考えてみませんか!