教育講演(25

X線透視下硬膜外腔穿刺法と硬膜外カテーテル造影

仙台赤十字病院麻酔科

 

嶋 武

 

 1985年に山上らはX線透視下に硬膜外腔穿刺をする方法を発表し、ペインクリニックでは一部実施されているが、一般の麻酔をする際にはほとんど行われていない。最近、エコーガイド下に硬膜外腔穿刺をすることが推奨されているが、画像の分かりやすさからすれば、X線透視下のほうが比較にならないほど優れている。そこで、麻酔科医がすぐ実施できるX線透視下硬膜外腔穿刺法を解説したい。 

X線透視下硬膜外腔穿刺の利点は直視下に見たままに穿刺できるため、安全・確実な穿刺が可能となる。肥満者、穿刺困難例、脊椎に異常のある症例が主な対象であるが、血液凝固異常のある症例にも正中に穿刺できれば出血は防止できる可能性が高いため、対象となるかもしれない。一方、欠点としては大袈裟なX線透視装置を使用し、準備に時間がかかる点であり、ルーチンには使用していない。 

本講演では、機械の準備法より透視下に穿刺し、カテーテルを挿入するまでを概説し、上手に行うコツとポイントを伝授し明日からすぐ実施できるように説明したいと思っております。 

つぎに画像の関連として、われわれがルーチンに行っている硬膜外カテーテル造影法とその画像の見方に関して、時間の許す範囲で言及できればと思っております。自分の挿入したカテーテルの先端がどのようになっているのかは大きな問題と思います。 

ぜひこの機会に硬膜外腔穿刺の問題点を考え、より上手になるためX線透視下硬膜外腔穿刺にチャレンジしましょう。